基板 ”品質向上” のために押さえるべきこと

検査装置

今回は、プリント基板の品質をいかに上げていくか、ということを

取り上げていきたいと思います。

 

開発・設計から基板製造・実装・組立までの枠組みで捉えた場合、

プリント基板の品質を左右するのは、大きく分けると下記の2つになります。

 

①設計品質

②製造品質

 

①の設計品質については、このコラムの中でも定期的に取り上げ、

多くの情報発信を行ってきました。

例えば、このプリント基板の設計品質を左右するのは、

何と言っても 適切なDRを行う ということです。

未然にトラブルを防ぐという意味でとても大切なこのDRについては、

これまでのコラム をご参照頂ければと思いますが、

 

 

設計品質については、このコラムを読んで頂いている皆様も

大きく関わることですし、私たちもお客様と一緒になって、

更なる品質向上のために日々努力をしているところです。

 

 

ですが、②の製造品質についてはそういう訳には参りません。

この部分にお客様が積極的に関与して品質を上げる、

といった事は殆どないケースであり、

私たちのようなメーカーに一任して頂く、ということになります。

 

 

そこで今回は、このプリント基板の製造品質を向上させるために、

アート電子が取り組んでいること、

特にはんだの印刷不良による品質不良をいかに低減させているか、

ということをお伝えしたいと思います。

 

 

プリント基板の不具合というものは、設計的な不良を除くと、

実装不良が大きなウェイトを占めるのですが、

この実装不良 70% が初期工程、

つまりはんだの印刷不良により発生していると言われています。

 

要は、このはんだの印刷不良を抑え込むことが、

基板品質を向上させると言っても過言ではない訳です。

 

 

私たちアート電子では、一昨年、はんだ印刷検査装置を導入し、

この「はんだの印刷不良」を抑え込むプロジェクトを開始しました。

 

このはんだ印刷検査装置は、プリント基板にはんだ印刷を行った後、

はんだが正しく塗布されているか検査するだけではなく、

検査結果を元に印刷機にデータをフィードバックする機能を持っています。

(当社のはんだ印刷検査装置についてはこちら

 

はんだ印刷検査装置を導入後、当社では、印刷したはんだの情報

(体積・高さ・面積・突起・かすれ・位置ズレ(X,Y)・未はんだ・ブリッジなど)

をストックし、はんだ印刷の条件設定に反映した結果、

 

BGAやQFN等において、はんだ塗布量が少ないことによる

はんだ不良数が、これまで2件/月程度だったところ、

現状では0件、という所まで抑えこむことに成功しています。

 

これまで、BGAやQFNなど、はんだづけ状態を目視では確認できない

部品に関しては、実装後にX線検査装置を通すしか方法はありませんでした。

 

しかし、このはんだ印刷検査装置の導入と蓄積データの活用ににより、

より確実な実装が可能となります。

 

 

アート電子では、電子回路設計やパターン設計などの設計品質はもちろん、

今回ご紹介したような製品品質を向上させる各種設備やアイデアを通じて、

プリント基板に関わるすべてのお客様の、開発設計のベストパートナーで

あり続けたいと考えております。

 

もしプリント基板の製造品質でお困りなら、お気軽にご相談ください。


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