製品寿命の長い、産業機器などを設計・製作されている方、
あるいは保守パーツを長く供給している方は、
古い基板を特急で500台だけ作らなければならない、など
様々な問題に直面すると思います。
たとえば、こんな問題は発生していないでしょうか?
・使っていた部品が、知らない間に廃番になっていた。
・廃番はおろか、スペックさえ分からない。
・納期が迫っており、廃番部品の代替品があるのか?
いつ入手できるか?すぐに確認しないといけない。
・代替品が見つかったが、ピン配が違うため
基板を起こしなおすか、手作業が必要。
・回路図を確認しようにも、古すぎて見当たらない。
あるいはよく確認すると最新版でなかった。
・Pb入りハンダを使用しており、Pbフリーにするには検証が必要
このような状態になると、設計者だけでは
全く手が打てない問題になってしまいます。
もちろん、アート電子のような、
代替品調査・調達から、基板の起こし直しまで、
回路設計から基板のアセンブリー・組立完成品までを
一気通貫で行っている企業に、早めに任せることも大事なのですが、
このような状態になってしまう前に、やっておくべきことは
実はたくさんあります。
下記にてその一部をご紹介いたしますので
参考になさってください。
<事前対策>
①新規設計
・部品指定にせず、あらかじめ代替品を織り込んでおく
・よく分からない海外メーカーのものは使わない
(いつの間にかディスコンになってしまうケースがある)
②既に流れている基板
・ある程度あたりをつけ、事前に対策しておく
産業機器関連のリピート受注を受けていると「必ず」と
言っていいほど起こる問題は、部品の廃番が分かり
回路変更をしなければならないことが、
直前になって判明し、急ぎで対応依頼がくるケースです。
また、多くの場合はお客様から要望を受けた
営業サイドが「どうしても、すぐに必要だ!」となり、
開発・設計担当に落ちてくる、といったケースが
殆どではないでしょうか。
これを回避するには至難の業になりますが、
ひとつの解としては、
お客様の情報を持っている営業サイドとの打合せで、
懸念がある製品をピックアップし、
廃番部品の確認・代替品調査、あるいは最新の回路図への
差し替えなどを事前に行っておく、という方法があります。
<事後対応>
上記のように事前に手を打っても、急遽対応の依頼が
ゼロになる訳ではもちろんありません。
従って、発生した時も考慮して準備しておく必要があります。
①基板の再製作に必要な情報
代替品を探し、スピーディに再製作を行うには、
下記情報が必要となります。
これは自社で対応する場合も、業者に依頼する場合も同様です。
・回路図
→ データがない場合は、図面でも可
・仕様書
・廃番品の在庫状況
→ 再作ではないが、今後の対応の判断を素早く決定できる。
・廃番品の代替品情報
→ 代替品が分からない場合は、調査を依頼することも可能
・今後の生産情報
→今後の生涯台数、何年くらい続くか?
その製品がメンテナンス用のフェーズになっているのか
そうであれば、まとめて作成するなどの判断が可能
いかがでしょうか。
上記のような対策を行っておけば、完全には無くすことは
出来ないかもしれませんが、発生したとしても最小限に、
さらにスピーディな対応ができると思います。
ぜひ参考になさってください。
なお、アート電子ではこうしたリバースエンジニアリングと呼ばれる
基板の起こし直しを部品選定から行っているので、お気軽にお問合せください。
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