今年は大型の台風が次々に日本に押し寄せ、
特に台風19号では東日本を中心に大きな被害が
発生しました。
被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
この記事をご覧頂いている皆様におかれましても、
サプライチェーンに様々な影響があったかと存じますが、
我々の業界の中で最もインパクトがあったのは、
やはり、プリント配線基板の材料となる
基材メーカー工場が被災したことによる、
プリント配線板の基材の供給停止問題ではないでしょうか。
基材メーカーからは2か月程度で復旧と発表されていますが
業界では完全復旧には1年以上かかる、とも噂されています。
どのようになっていくのか不透明な状況の中、
購買様、開発担当者様はとても心配していることと思います。
もちろん、早く復旧されれば我々も大変助かるのですが、
自然災害大国である我々としては、リスクヘッジを行い
影響を最小限にする取り組みの重要性が、
今までにも増しているように感じています。
<アート電子としてサポートできること>
1.暫定対策
目の前の対処として、実務的には、
4M変更申請にて
・同じ基材メーカーの別工場の承認取得
・別メーカー品への変更承認取得
を進めていく事かと思います。
上記に際しての4M変更申請に必要なデータを
すぐにお客様に提出できるようにしておりますので
ぜひお申し付け頂ければと思います。
また、基材メーカーも様々ございますので、
ご要望に応じて、最適なメーカーを推奨させて頂きます。
2.恒久対策
そして今後の対策という視点において、最も重要なことは、
こうした災害が起こってもいかにラインを止めないか、
そのためにいかに事前準備をしておくか、という点に尽きると思います。
これまで我々の業界は、CRなどはBOMに併記することを
進めてきましたが、プリント基板に関しては手薄な企業が
多いように感じています。
今後は、各種デバイスの併記に加え、プリント基板の
基材メーカーも併記しておくようにしたりする、
例えばFR-4ならいずれのメーカーも可、として
顧客から承認を得ることが得策です。
アート電子では、これまでリスクヘッジとして、
出来る限り基材指定をダブルにする等の対応を
行ってきましたが、その際のサポートしても、
特性一覧などを提出して同等であることを
提示することも可能ですし、
設計時における併記の提案も積極的に
行ってまいります。
よい基板を提供することも大事ですが、
それを提供し続けるためにはどうすべきかを
しっかりと構築しておくことが、
結果として、製品の競争力を高めることに
繋がるのではないかと思います。