0402のパッドに、0603はリワークできるのか?

 基板リワークの現場では、基板が動作しないということでデバイスの定数を変えて試験を行う、ということがかなり多くあります。その中で、

 

「0402サイズで設計を行い実装したが、定数を変更したい。しかし、入手ができないので、取り急ぎ0603サイズでも可能か?」

 

といった質問を頂くことがあります。ICなどピン配が違うものは簡単にリワークできないことは分かるのですが、例えばチップ抵抗ならサイズが違うだけなので、何とかなるのでは・・・とお考えになるのだと思います。

 

結論から申しますと、0603を0402のパッドにリワークすることは、基本的には不可です。

 

 パッドの大きさは設計によるので、実装する部品サイズとパッドを検討した上で可能という判断ができるケースも無くはないですが、通常の設計を行っている場合は殆どが不可です。これは、大から小、つまり0603のパッドに0402をリワーク・実装する場合も同様です(こちらの方がイメージしやすいと思います)。

 

しかし、リワークの都合上、どうしても違うサイズのデバイスを使わなければならない、といったケースもあることも事実です。そのような場合は、下記のような対応を行うことが一般的です。

 

対策1.基板の設計段階で、共通パッドで設計しておく

  定数変更が想定される場合は、あらかじめ、例えば1005でも1608でも実装/リワークができるような共通パッドにしておくという方法があります。ICの外付けC・Rは微調整が必要になるので、試作段階においてはこうした対策を行っておけばリワークにも柔軟に対応することが可能です。

 しかし、共通パッドを採用すると基板面積が大きくなってしまうこともあるので、小型機器向けの基板の場合は注意が必要です。また、リワーク対象物の周辺にデバイスが密集していたりすると、共通パッドでもリワークが非常に困難になる、といったこともあり得ます。なお、0402と0603サイズの共通パッド、0603と1005サイズの共通パッドは基板設計上は可能ですが、はんだ量の影響でチップ立ちや片方のPADに吸い寄せられるなどのリスクがあるので、導入前にしっかりとした検証を行うことが必要となります。

 

対策2.変換基板を外付けで付ける

  これも広く採用されている方法ですが、そもそも対象となる基板上で無理にデバイスを変更するのではなく、変換基板を作成し繋ぐという方法です。これも上記の1.と同様にできれば設計段階で検討をしておきたい方法になりますが、実装後の評価段階でも採用できる方法になります。しかし配線などで引き出した場合は、インピーダンスが変化し動作に影響を及ぼすことも考えうるので、評価はあくまで評価、条件出しをして量産試作の基板で最終確認という形になります(ただし、この対策は0402の場合は、スペースの関係上、対応できないことが多いので注意が必要です)。

 如何でしょうか。これまで0402サイズはモバイル機器を中心に採用されてきましたが、産業機器や車載などをはじめあらゆる電子機器のデバイスに裾野が広がり、「小型化」ますますが進んでいます。世界的な開発競争にさらされる中、開発・設計部門としてはいち早く開発を完了し量産に繋げることが必要とされるので、リワークを想定した設計を行っておくことの重要性がますます高まっています。ぜひ参考にして頂ければと思います。

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