基板リワークを行う際の加熱方法について

 基板のリワークを行う際には、当然ですがはんだを溶かすために加熱することが必要です。表面実装品ならはんだごてで加熱すれば良いのですが、デバイスには様々な形状があり、コテでは適切なアプローチができないケースもあるので、「壊さず取り外す」ためにリワーク装置メーカー各社は様々な加熱方式を採用しています。このコラムでは、加熱方法の種類と注意点をご紹介いたします。

 

 1.はんだごて

  最も一般的なのが はんだごて です。主に表面実装を行ったチップ部品などは、はんだごてを使って再加熱し取り外す、という方法が取られます。1608サイズ程度の部品なら問題なくリワークできますが、1005、0603、0402、とサイズが小さくなればなるほど、リワークの難易度が増してしまいます。このはんだごてを使って取り外すという方法は各社さまざまな工夫をして対応できるようにしていますが、どうしても手作業にならざるを得ず、最後は技術者の腕によるといっても過言ではありません。

 

 

 

 2.遠赤外線方式(リワーク装置)

 

 リワーク装置に取り付けられた遠赤外線ヒーターを熱することで、その放射熱で基板を温め、リワークを行うという方式です。リワーク装置のメーカーでは基板種類や条件などの合わせた温度プロファイルを保有しています。昨今では片面ではなく両面から熱を与える方式が主流になっており、詳細な温度管理をしたい場合には温度センサを貼り付けることでシビアなプロファイル温度管理が可能となっています。

 

3.熱風方式(リワーク装置)

 

 文字通り、リワークする部分に熱風を当てる方式です。加熱/温度管理するエリアを細かく分けてプロファイル温度設定をできるメーカーもあり、BGAなどの条件の厳しいパッケージも対応することが可能です。また遠赤外線方式と同様に、シビアな温度管理も対応することができます。さらにメーカーによっては、熱風をヘッドに熱伝導させピンポイントに加熱する機能を持ったものもあります。なお、アート電子のリワーク装置はこちらの方式です。

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当社のリワーク設備はコチラ(ハイパーリンク)
https://www.art-denshi.co.jp/equipment/index.php#sec4

 

 いかがでしょうか。このようにリワークには、大きく3つの加熱方式があり、アート電子のようなリワークを行うメーカーでは、案件ごとに都度最適な方式を選択することが重要です。なぜなら、別のコラムでも申し上げてきたとおり、リワークでは取り外すことも大事だが、取り外す際にいかにデバイスに熱負荷をかけないようにするか?という点も同時に求められるからです。加熱方式でどの方式が良い・悪いではなく、リワークの内容やデバイスなどの条件によって、よりベターな方法を提供できるメーカーかどうかが、リワークを依頼する際のひとつの指標になるでしょう。

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