実装の品質を向上させるためには、
はんだ印刷やメタルマスクなどの条件などの適正化が重要ですが、
もちろんはんだや基板仕様に合わせた温度プロファイルを最適化することが求められます。
今回はお客様に高信頼性基板の試作実装で評価いただいている、
アート電子の温度プロファイル条件設定を含む、品質向上の取り組みをご紹介します。
今回ご紹介する取り組みを参考にしていただければ、
安定した品質の基板を手に入れることが可能になるはずです。
ぜひ、皆様が実装を依頼する場合や社内で実装をする際に参考にしてください。
その1)不良データのフィードバックではんだ印刷条件を適正化
基板実装の品質不良の8割は、はんだ印刷工程で起きています。
はんだ印刷工程で品質管理をした上で、リフロー炉に通さなければなりません。
そこでアート電子では、はんだ印刷検査機+パラメータ管理+データ活用を行っています。
アート電子はCKD製 3Dはんだ印刷検査機 VP6000L-VCを使用し、
はんだ印刷状態を立体的に確認してはんだ不良を未然に防いでいます。
はんだの良否判断は、はんだ印刷検査機メーカーで設定された
各パラメータごとの閾値を基に品質管理を行っています。
しかし設定された値で印刷をしたとしても、
様々な要因が重なり実装が上手くいかない場合もあります。
そのような問題に対して、
当社は検査情報をはんだ印刷機にフィードバック・蓄積していますので
はんだ不良数を限りなくゼロに抑え込むことが出来ています。
>>はんだ印刷検査について、詳しくはこちらの技術情報をご覧ください。
その2)ボイドによる不良を回避するための取り組み
リフロー工程においては
クリームはんだに含まれる空気(ボイド)をいかに減らせるよう対策するかが重要です。
アート電子ではクリームはんだ×温度プロファイル条件の組み合わせや
メタルマスクの開口を調整し、ボイドの発生確率を最小限に抑えています。
ボイドは表面実装部品の足には発生しにくい一方で、
放熱パッドのあるICを実装する際には発生率が高くなります。
なぜなら、はんだをべた塗りする箇所では空気の逃げ道が無くなるからです。
これへの対策として、当社ではメタルマスクの開口形状を工夫しています。
なお、試作基板を確実に実装することはもちろんのこと、
プリント基板の試作開発企業である当社は、
お客様指定の温度プロファイル条件で課題があった場合に、
課題点を洗い出し、次の試作にて改善点を提示することが可能です。
上記、ボイドの評価・解析から最適なはんだ印刷の条件出しも行っておりますので、
ボイドを極力抑えた高信頼性の基板実装は当社にご相談ください。
その3)実装基板の仕様に合わせた最適な温度プロファイル条件の設定
基板サイズ、実装密度、実装内容が変わると、
それに伴って基板や部品の昇温速度も異なります。
またお客様の中には厳しく温度プロファイル条件を指定する場合があります。
例えば当社の標準プリヒートは170℃~200℃で60秒~120秒以内に対して、
お客様では160℃〜180℃で60秒〜100秒以内を求められることもあります。
その際にアート電子では、測定する位置によって温度上昇にばらつきがあることを前提に、
生基板へ熱電対を対角で3か所程度付けて8ゾーンリフローへ流し測定します。
測定結果をもとに条件から外れている場合は温度設定を確認し、調整していきます。
加えてお客様のご要望に合わせて、
測定箇所を増やすことや指定いただいた部品を取り付けて表面温度を測定することも可能です。
このように接合信頼性に影響を与えるリフロー工程で
設定した温度プロファイル条件でフィレット形成やぬれ状態を厳しくチェックします。
上記3つを含めた取り組みで、
アート電子はお客様に高信頼性の実装基板を提供していますので、
基板実装は、ぜひ安心して当社にお任せください。
なお、基板実装の品質を向上させる技術情報をWEBサイトにアップしていますので、
そちらの方もぜひご一読頂ければと思います。