量産基板実装を依頼する際に押さえておくべきポイント

量産基板の開発は、主に

①試作設計→②試作製造→③試作評価→④量産設計→⑤量産製造→⑥量産評価

という流れで進みます。

 

このプロセス中で重要なのは、

試作・評価を重ねた上で量産に移行していく点です。

これは量産実装だけ行っているメーカーでは

対応しきれないことも少なくありません。

 

 では、量産実装を依頼する上では

どんなポイントを押さえる必要があるのでしょうか。

 

そこで今回は、

「量産基板実装を依頼する際に押さえておくべきポイント」

と題しまして、

量産基板実装を進めて行く上での課題と

その解決策としてどんな観点で量産実装を依頼すればよいのか

について具体的に解説いたします。

 

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量産基板実装

 

ポイント①:実装完了までスムーズに案件が進められるか

 

実装完了までに時間がかかる原因は大きく分けて2つあり、

これを考慮した上で案件を進めて行く必要があります。

 

1つ目は量産メーカーでは試作に時間がかかる点です。

 

量産メーカーでは、量産のために生産ラインが最適化されているため、

試作対応をする場合、工程及び人員などの調整が必要な場合があります。

 

特に製造スケジュール含め生産ラインが込み合っている場合は、

試作対応が難しく、時間もかかるため、試作メーカーに頼る必要が出てきます。

 

2つ目は、試作メーカー及び量産メーカーとの情報伝達の遅延です。

 

基板製作の依頼者が、試作・評価を試作基板メーカーに頼んだ場合、

例えば「試作メーカーからの評価結果を

量産メーカーにフィードバックしたが、回答がこない」

といった情報伝達の遅れも発生する可能性があります。

 

またその他、量産基板メーカーが試作・評価を直接、試作基板メーカーに依頼する場合も、

同様に各メーカー間で上記のような情報伝達の遅延が発生する可能性があります。

 

 

ポイント②:試作・設計段階で量産性を考慮した設計ができるか

 

高品質な製品を製作し、かつ安定した量産体制を構築するためには、

試作段階から量産を見据えた設計を行うことが不可欠です。

 

しかし上述の通り、

量産メーカーの中だけで

試作・評価から量産までを一貫して行うのは

設備や技術的な制約から難しく、

試作基板メーカーや量産基板メーカーに

それぞれ依頼しなければならないケースがあります。

 

また、設備や技術的な制約から

量産メーカーに合わせた設計を

しなければならないといった事態も生じます。

 

一方、試作から量産まで一貫して対応ができれば、

試作段階から量産時の課題を考慮した設計提案が可能です。

 

量産性を考慮した設計のポイントはいくつかありますが、

例えば、サイズが小さい部品の量産実装は、

どうしても実装品質の安定化が難しく、歩留まりの低下にもつながる可能性があるため、

・SMD部品であれば、0603 以上

・BGAであれば、ピッチ0.8mm 以上 を選び

極端に小さい部品の選定は避けるなどの設計を行い、

量産時に不良が起こらないような対策を施すことができます。

 

このように、

試作段階で量産性を考慮した設計を行うことで、

量産メーカーに合わせた対応をしなければならない

といったケースを回避できるため、

お客様からのご要望に沿ってスムーズに量産に移行することが可能です。

 

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量産性を考慮したパターン設計
 

 

ポイント③:特に信頼性が求められる用途の場合、試作・評価を十分に重ねた上で量産に移行できるか

 

試作・評価の回数を極力減らしていち早く製品化したいという要望がある一方で、

例えば医療機器・車載製品など特に高い信頼性が求められる場合、

試作、評価を十分に重ねたうえで、量産に移行したいという要望もあります。

 

しかし、この「試作・評価を十分に重ねて量産に移行する」というプロセスは

上述の通り、量産基板実装メーカーの中だけでは特に完結するのが難しいです。

 

また近年では、特にこうした技術・製造に関する

人材が少なくなってきており、外部企業に頼らざるをえない状況もあります。

 

そのため、試作・評価を重ねたいという場合には、 

試作・評価を重ねるためのパターン設計技術、生産技術が必要になります。

 

また、上述の量産性を考慮した設計など

より品質を高めるための設計提案を行った上で案件を進めているか

を考える必要があります。

 

 

以上、3つのポイントをご紹介いたしましたが、

量産基板実装を進めていく上で、理想としては、

試作から量産まで社内で一貫対応できる企業に依頼することです。

 

これにより情報伝達の遅延や設計仕様のミスを防ぐことにつながり、

その結果、設計の手戻りが減るため、手離れが早く

試作・評価から量産までのプロセスをスムーズに進めることができます。

その結果、要求変化が速い市場のニーズをキャッチアップすることができます。

 

 

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アート電子では、

設計者が量産性を考えた上で設計・試作対応を行っておりますので、

試作結果を量産設計に反映させることができ、

それを当社が主体となって量産実装メーカーに責任を持って伝えることができます。

その結果、設計時の手戻りが少なく、量産実装までスムーズに対応が可能です。

 

また、お客様のご要望に沿った基板製作だけでなく、

より品質を高めるための提案が可能ですので、

試作・評価を十分に重ねた上で量産を検討したい場合にも柔軟に対応できます。

 

お客様のご要望に合わせて

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