皆様の中にも短納期での基板試作を他メーカーに
依頼されたことがある方は多いと思いますが、
「急ぎで基板試作を依頼したが、トラブルで手戻りが発生してしまった」
そのような経験はないでしょうか。
予期せぬトラブルや仕様変更が発生し、
結果的に納期がかかってしまうケースは珍しくありません。
このように開発リードタイムが延びてしまう要因としては、
設計・仕様面がボトルネックになっているケースが多いのです。
そこで今回は、基板試作で開発リードタイムを短縮するために
設計・開発段階で押さえるべき下記3つのポイントを解説します。
ポイント①:試作情報(設計仕様・資料・納期など)は可能な限り早く提供する
ポイント②:部品の入手性を考慮した設計を行う
ポイント③:確実な短納期対応・・・設計~試作実装をトータルで対応できる依頼策を選ぶ
基板試作を最短で仕上げるための進め方と依頼のポイント
ポイント①:試作情報(設計仕様・資料・納期など)は可能な限り早く提供する
短納期の基板試作で多い課題のひとつが、
「急いでいるが、設計資料が揃っていない」という状態です。
回路図や部品表、基板仕様が未確定といった
状態では見積や段取りが進められず、
希望の納期に間に合わせることができなくなってしまうことが多々あります。
しかし、資料が不十分でも、概略の情報、資料で見積りや工程の段取り
など、先行して進めることが可能です。
試作で最短で進めるために重要なのは、「資料の完成度」よりも
必要な情報・資料を可能な限り先行して依頼先と共有することです。
具体的には、
・主要部品と大まかな回路構成が決まっている状態でも試作ボリュームと日程のすり合わせをする
・どこから依頼をしたいか、ブロック図のみが完成しており、部品選定や回路設計は任せたいなど要望を明確にしておく
このような情報と合わせて、回路図・部品表・基板仕様などの必要情報の優先順位
ヒアリングすることで、概算見積やスケジュール検討が可能になります。
したがって「すべて決まってから依頼する」のではなく、
仕様・設計面などからご提案ができるパートナー先を選び
必要に応じて仕様を詰めながら進めることができれば
スムーズに基板試作を進めることができます。
ポイント②:部品の入手性を考慮した設計を行う
開発リードタイムがかかる要因の一つに
「部品の長納期化」があります。
「基板はできたが、部品が揃わない」という事態を避けるためにも
特に下記3つを押さえる必要があります。
・入手性が悪い部品を事前にリストアップする
まずは部品選定にあたり、予め入手性が悪い部品をリストアップします。
そして、ここでリストアップした部品の代替品の選定を進めていきます。
・主要部品はできるだけ代替品を部品リスト(BOM)に併記する
代替部品は、主に他メーカーのピンコンパチ品から選定し、
その次に、PKG違いの部品を選定していきます。
ただし、代替部品は1つのみではなく
第2,3候補まで選定しておくことが非常に重要です。
第3候補まで選定することで、代替部品の仕様・スペックが若干異なっても、
設計の手戻りを防ぐことができます。
・代替部品にも対応できるよう、パターン設計に余裕を持たせる
候補部品の選定に伴い、パターン設計で注意すべきことがあります。
それは、パターン設計時に、
代替部品も実装できるように設計を行うことです。
例えば、候補部品を加味したうえで、SMD部品だけでなく、
変換基板によりDIP部品も採用できるよう配置や配線、
取り付け穴を検討し、スペースを設けておくなどの工夫が必要です。
これにより、サイズ・形状が異なる候補部品であっても、
問題なく実装することが可能となります。
ポイント③:確実な短納期対応・・・設計~試作実装をトータルで対応できる依頼策を選ぶ
ポイント①・②で触れた通り、短納期の基板試作では
「仕様が完全に固まっていない状態でどう進めるか」
「部品調達リスクをどう最小化するか」
といった判断と調整が発生する場面が多くなります。
このような状況では、
単に「基板を作るだけ」のメーカーよりも、
短納期案件を前提とした進め方に慣れている試作メーカーを選ぶことが重要です。
短納期対応が得意なメーカーでは、
・仕様が未確定な部分を前提にしたヒアリングができる
・必要な情報・不足している情報を整理し、優先順位をつけてくれる
・部品調達や実装を含めた全体スケジュールを見据えて提案できる
といった対応が可能なため、
設計者側が「どこまで決めればよいのか」で立ち止まることが少なくなります。
一方で、短納期の実績や体制が十分でない場合、
結果的に手戻りや待ち時間が発生するといったことが起こりやすく、
「短納期で依頼したはずなのに、思ったより時間がかかった」
という結果になりがちです。
基板試作メーカーを選定する際は、
「未確定な状況でも一緒に進められるか」
「設計・部品・実装まで含めた視点を持っているか」
「何が得意でどこまで対応ができるか」
といった点も、ぜひ確認してみてください。
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