電子回路を開発・設計するとノイズの発生はつきものですが、
最近、ノイズの原因が分からず、どこから手を付ければいいかすら
分からない、一度相談したいというお問合せを、立て続けに頂いています。
こうしたご相談に関しては、アート電子としては、ヒアリングを行わせて
頂いた上で、まずはパターン配線を拝見させて頂くのですが、
実は、ご相談の殆どが、パターン配線における
ノイズ対策の「基礎のきそ」が守られていなかった、というのが原因です。
その原因とは、例えば下記のようなケースです。
これらは、回路設計からパターン設計・実装・組立までを一貫して行っている
アート電子では日常業務として行っているノイズ対策のチェック項目なので、
プリント基板に携わる方なら必ず知っている(知っておくべき)ことなのです。
しかし、こうしたトラブルがどうしても起こってしまう背景としては、
回路設計が自社・パターン設計は外注、というケースで外注に任せっきりになっている、
回路設計を行っていると、パターン設計の深くまでなかなか配慮ができない、
あるいは、シビアなノイズ対策を行うよう対策(指示)ができていないなど、
様々な事が考えられると思います。
もしくは、ノイズ対策の基礎を理解はしているが、使えるに至っていない、
という事も、あるかも知れません。
そこでアート電子では、これまで ノイズ対策.com で情報発信してきた
ノイズ対策の基礎的な情報に加えて、より皆様にお分かり頂けるよう、
超プロでも初心者でもお分かり頂けるよう、解説動画を作成いたしました。
上記③ベタパターンが不必要に大きい。
という項目ではGNDや電源プレーンをただ大きくするだけでは
ノイズの原因になっていることも考えられます。
特に内層での電源やGNDプレーンでは配線が無いため、
ケアされていない基板も見受けられます。
また、電源-GND層間のプレーンでは共振が発生し
放射ノイズが大きくなることもあります。
今回は電源-GND層間のプレーンでの共振を解析した解説動画をご紹介いたします。
プレーン共振解析とは、EMI放射を増大する要因であるプリント基板の
GNDプレーンと電源プレーン間の共振を解析することです。
対向する電源とGNDのプレーンがあると、ある周波数帯域で共振が発生します。
その為、共振点周波数でのEMI放射原因ノイズを増大する恐れがあります。
プレーンの共振解析後の対策方法としては、
プレーン形状の変更、デカップリングコンデンサ、RCスナバ回路の追加等を行って、
共振レベルを抑える対策をし、共振周波数を高い周波数帯へずらしEMIを抑制する、
という方法を採用します。。
今回の動画では、これらの対策の中から、デカップリングコンデンサの追加により
電源ーGNDのプレーン共振解析シミュレーションで共振点がどのように変わるのか?
どうすれば使用する周波数帯に危険な共振点がないようにできるのか?
という視点で解説しています。
こちらの動画をぜひ参考にして頂いて、
ノイズの少ないプリント基板の開発・設計を実現しましょう。
また、ノイズ対策チャンネルに掲載する動画は、
パターン設計における、いわゆる基礎のきそを中心に動順次作成して参ります。
ぜひ参考にして頂ければと思います。